藤原ちから×辻本力×大澤聡×松田青子トークセッション




  


藤原ちから+辻本力編『〈建築〉としてのブックガイド』刊行記念トーク


■出演:藤原ちから×辻本力×大澤聡×松田青子



■ タイトル:『言葉×文字×メディア=本』


■ 日時:2011年2月11日(金)18:40〜20:30


■ 会場:ジュンク堂書店新宿店(8F喫茶コーナー)




雪が降って、すっごく寒くて、外に出たくな〜い!



なのに、



ご来場頂きました皆様、ありがとうございました(涙。。。







 《感想文:ちからのトーク




  


本ってホントいいですね〜



まつださん、おうつくしい!



的なハッピーテイストのトークになるかと思いきや、



いやいや、ガチンコ・マジトークでした。



編集をした藤原ちからさんは、2次会に至るまで大勢の方々から盛大にディスられていました。いや〜、藤原さん、愛されてるなー 



で、何が問題になったかというと、



これって本なのか?



ってこと。



「これって本なのか?」、う〜ん、「これはパイプではない」的に言えば、「これは本ではない」。本みたいだけど、カバーがカバーじゃないし(原稿の裏紙だし)、帯が帯じゃないし(手に取ってみてのお楽しみ!)



それに「〈建築〉としての」って言ってるけど、これ「建築書」じゃねーし、建築に見立てたってことだし、それで建築に見立てたってことで、絵本作家の大橋慶子さんがイラストを描いて建築化してくれたのだけど、これもう建築の次元を超えているし、これ空間じゃないし、もうSFだし、もうカフカだし。


ある朝、グレゴール・ザムザがなにか氣懸かりな夢から眼をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な毒蟲に變わっているのを發見したグレーゴル・ザムザがある朝、夢にうなされて目を覚ましたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変わっていることに気づいたグレーゴル・ザムザはある朝、たて続けに苦しい夢を見て目をさますと、ベッドのなかで自分がいつのまにか巨大な毒虫に変身しているのに気づいたある朝、グレゴール・ザムザが・・・



(TOLTA/南谷奉良『〈建築〉としてのブックガイド』pp.130-131.)


って、現代詩ユニットTOLTAカフカの『変身』について書いていて、これがこの本のメタメッセージになっていて、そうそう僕は『変身』というタイトルが嫌いで、『ぼく、ムシになっちゃった』のほうが好きで、いや〜だから、『〈建築〉としてのブックガイド』というタイトルも実は『本になっちゃった』だったりして(汗。。。





さらにさらに、これ「ブックガイド」じゃないし。政治哲学者の白井聡さんの文章の次が、『東一局五十二本場』阿佐田哲也(角川文庫)で、


筆舌に尽くしがたいのだけど、麻雀、チンチロリン、オイチョカブなど、阿佐田の描く勝負師は最後は惨めに散っていく、その全然かっこよくない生き様/死に様は、まだ何ものでもない、ようやく性器のふくらみはじめた十代のはんちくりんのわたしに回復不可能な傷を与えた。



プルサーマル・フジコ『〈建築〉としてのブックガイド』p.68.)




さらにさらにさらに、これ「ブックガイド」じゃないし。政治哲学者の白井聡さんの文章の前が、『Duke Ellington The 100th Anniversary Collection』で、


えーと、すみません、楽譜です。



by 大谷能生


あの〜、全然ガイドになってないんですけど・・・。ガイドが迷子になってるっていうか〜、これ旅行ガイドだったら大変だっていうか〜


ガイド:「ハワイでございま〜す!」



客:「ハワイじゃねーよ! どうみても熱海だろ!!」



ガイド:「いい湯でございま〜す!!」



客:「いい湯じゃねーよ!俺はハワイでゴルフをしたいんだよ!!」


いや〜、ホント方向音痴もいいところで、実際「建築評論」のコーナーで売られてたりするし(汗。。。



あ〜、さてさてさて、



どうやって売ろうか。。。



書店員の苦悩の日々はつづく。










おっと、なんと、この本、『〈建築〉としてのブックガイド』にミュージシャンの前野健太さんも書いてんじゃん! 前野さん昔、古本大学でバイトしてたんだよ。




  ベランダの三冊  前野健太



古本屋で漫画や詩集ばかり探していた。一番好きなのは上村一夫の漫画だった。古本屋で見つけたときにはとにかく興奮した。上村一夫の新しい漫画が読める、そう思うと、それだけで胸がいっぱいになったのを覚えている。(中略)たとえば、戦争が終わったらどうせアメリカ人に殺されちまうんだから、と、男と女が草むらで交わうシーンがある。その男女はどこか滑稽であるが、胸に迫るものがある。上村は、何が正しくて何が間違っているか、ということを問う前に、その歴史を受け入れてきた人々の生活の闇の部分もしっかり描いていく。だから、なんか、ほんとうのような、気がするのだ。人間はダメで、美しく、弱くて、強くて、儚い。上村一夫はさらにそれを色っぽく描く。そこにロマンを感じる。だから私は上村一夫が好きなのかもしれない。そこにはかならず風景があって、花、木、海、鳥なんかをコマ一杯に描き入れていく。そんな風に上村は風景カットを頻繁に入れることで、揺れる人間の心模様に色を付け、風を流し込んでいく。



(『〈建築〉としてのブックガイド』pp.174-175.)





  






  トークイベント第2弾》

本からはじまるいろんなこと


■ゲスト:仲俣暁生 樽本樹廣


■場所:百年(吉祥寺)


■ 日時:2月26日(土)12:00〜14:00






〈建築〉としてのブックガイド

〈建築〉としてのブックガイド


藤原ちからさんからのメッセージ


『〈建築〉としてのブックガイド』執筆陣がうごくうごくうごく


『〈建築〉としてのブックガイド』情報!!








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