2007-01-01から1年間の記事一覧

ダムタイプ『true/本当のこと』

《総合芸術》をめざして a. 日本では、明治6年(1873年)1月1日から、それまで使っていた太陰暦を太陽暦(グレゴリオ暦)に改めた。旧暦は明治5年12月2日まで使用され、その翌日は日本の外部の時間にあわせた為に、明治6年1月1日になった。つまり、明治5年1…

書き下ろし

2008年の4本柱

○ 10月末に初めての長編を脱稿した後、2008年のスケジュールを組み始めた。当初は、長編を2本やりたいと思って調整していたのだけど、ここ1ヶ月間、試運転をしてみて無理がある、パツパツで必要なあそびを全く見込めていないと感じたので、ノルマを1本…

書き下ろし

私と中国

1.新聞の愉楽 今は新聞をとってない。月4,000円支払う価値がないと判断され、新聞代は2007年度予算を通過しなかった。それはカフェ代や新書代に取って代わられた。そういうご時世なのだろう。仕方ない。 ただそうやって10ヶ月という月日が過ぎると、我なが…

書き下ろし

岡田利規『ゴーストユース』

「さかねさん、前田司郎と岡田利規やばいですよ。絶対観たほうがいいですよ。」 と同僚のチエちゃんに言われて、すごく気になっていて、先日行われた前田さんの(※1)は見逃してしまったのだけど、岡田さんのは近所でやっていたので、きのう見てきました。 …

号外

柄谷行人『初期批評集成』

柄谷行人という人は、甲陽学院という、村上春樹のお父さんが国語の先生をやっていた、当の村上春樹は受験して落ちたらしい、そんな高校出身の詰まるところ秀才である。全くもっていい加減な類推だが、私が長らく活動してきた建築界にあっても、この高校出身…

書き下ろし

保坂和志と夏目漱石

なんでもかんでも有名どころを読めばよいというものではありません。漱石読んで、鴎外読んで、太宰読んで、川端読んでなんてやっておりますと、いよいよ頭がおかしくなってまいります。ここは狙い撃ちといきましょう。 「よくいるやん。酔っぱらって気を抜い…

過去日記

内田樹『下流志向』解題

“生きる”の欠如 1.“生きる”の実感 一年生が終われば次は二年生。二年生が終われば三年生。小学校を卒業すれば次は中学校、高校へと進み、受験をパスすれば大学に入学する。そしてまた一年生が終われば二年生へと進んで行く。学校に通っていたときは一年々…

過去日記

不敵な微笑み

【その1】自転車に乗ったお母さんの横を小さな子どもが走っている。それ程の距離を走ったようには見えないけれど、「はーはー」と息が切れている。お母さんも「この子大丈夫かしら」とちょっと心配そう。でも子どもは走るのをやめようとしない。 この子ども…

書き下ろし

湘南

下北沢から数駅の各駅停車しかとまらない駅に住んでいる僕にとって、新宿の逆方向へ行くことには、かなりの苦痛を覚える。やっときた電車に乗っても、急行電車に追い越されて、なかなか前へ進まない。わずかな距離でさえ果てしなく感じる苛立ち。 そんな苦痛…

過去日記

Road to 大江健三郎 論

001 大江健三郎を読む(2007.07.05〜07.23) 核時代の想像力 (新潮選書)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (8件) を見る 読む人間作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 集英社発売日:…

書き下ろし?

柴崎友香ってなにもの?

必要なのは、なにかするべきことがあるときに、それをすることができる自分になることだと思う。 (柴崎友香『フルタイムライフ』) 僕の文体はどちらかというと、いわゆるドイツ系で、結論やオチがないと文章ではないという暗黙の了解に従ってしまっている…

過去日記

羽生善治とピカソ

1.ほんとうに新しい人 「負けました」。一日午後十時二十三分、投了の意思を告げた。将棋盤を挟み目の前に座っているのは羽生善治王座。対局室に報道陣がなだれ込み、私の背中越しにフラッシュの雨を浴びせた。 私が挑戦した第五十三期将棋王座戦五番勝負…

問題提起

《平成版》学問のすすめ

1.おとなの勉強不足 「キヤノン」はCanon、つまり「観音」からとったネーミングで、『ツァラトゥストラはかく語りき』(ニーチェ)の「ツァラトゥストラ」は「ゾロアスター」のドイツ語読み。(※1) 「へぇ〜、へぇ〜」。 こんなトリビアへの驚きは序の口で…

過去日記

文学のための覚書き

1.前衛 / 保守 前にあったものを何でもかまわず徹底的に拒否すればするほど、ますます過去に依存することになる。 (ポール・ド・マン「文学の歴史と文学のモダニティ」) 祖先から後世へ伝えるという伝統のただ一つの形式が、すぐ前の世代に属する人たち…

プロ野球【アジアリーグ構想】

1.メジャーリーグと日本球界 井川慶や松坂大輔は年齢的に考えても、実績を考えても、本人の行きたいという希望があるならアメリカに行かせていいと思う。野茂さんやイチローさんのようにすぐに活躍できるかもしれないけど、違った環境に慣れねばならないし…

過去日記

神戸

スタバがあって、ロフトがあって、ユニクロがあって、百貨店の1Fはコスメで、婦人服売り場が幅を利かせていて、有名ブランドショップが軒並み名を連ねている。こういった変化は東京で起こっている、それと何ら変わらない。 予備校時代に時間を潰していたド…