シチュー

保坂和志『季節の記憶』で一番美しいのは、この主人公がスープをつくる習慣を持っているということで、この前バイトの女の子が「さかねさん、今日シチュー作ったんですけど、火をちゃんと消したかどうか覚えてなくて、気が気でないんです」と言ってきたのだ…

不敵な微笑み

【その1】自転車に乗ったお母さんの横を小さな子どもが走っている。それ程の距離を走ったようには見えないけれど、「はーはー」と息が切れている。お母さんも「この子大丈夫かしら」とちょっと心配そう。でも子どもは走るのをやめようとしない。 この子ども…

湘南

下北沢から数駅の各駅停車しかとまらない駅に住んでいる僕にとって、新宿の逆方向へ行くことには、かなりの苦痛を覚える。やっときた電車に乗っても、急行電車に追い越されて、なかなか前へ進まない。わずかな距離でさえ果てしなく感じる苛立ち。 そんな苦痛…

神戸

スタバがあって、ロフトがあって、ユニクロがあって、百貨店の1Fはコスメで、婦人服売り場が幅を利かせていて、有名ブランドショップが軒並み名を連ねている。こういった変化は東京で起こっている、それと何ら変わらない。 予備校時代に時間を潰していたド…