Book! Book! Sendai《選書のプロセス》




  





先日、ツイッターで行ったBook! Book! Sendai《選書のプロセス》企画をブログにまとめました。ぜひお楽しみください!!





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【選書のプロセス・1】


参加するのは《Book! Book! Sendai!》という書籍イベントの一環で、「鉄塔文庫」店主の川村力さんが発案された《仙台づくり書籍展(仮)》という企画です。



【選書のプロセス・2】


各選者が、多様な視点から「これからの仙台を考える上での5冊」を選びます。



【選書のプロセス・3】

「鉄塔文庫」店主の川村力さんの趣旨説明は次の通りです。




【選書のプロセス・4】

「震災後の仙台、宮城、東北を、どのようにデザインしていけばいいのか、新しい絵を描くとはどういうことなのか、それぞれのお考え、お立場から、思考の起爆剤となるようなヒントをいただけないか、というのがその趣旨です」




【選書のプロセス・5】


この選書企画に参加するきっかけは「せんだい・スクール・オブ・デザイン」です。2010年に講義をしたのがご縁で選書企画に参加させてもらうことになりました。






【選書のプロセス・6】


「せんだい・スクール・オブ・デザイン(SSD)」の《メディア軸スタジオ》では『S-meme』という書籍を制作しています。



  




【選書のプロセス・7】


私も2010年に講義をし、『S-meme』にその模様を掲載して頂きました。そのご縁で今回の選書企画に参加させて頂くことになりました。



  




【選書のプロセス・8】


書籍は書店や図書館で探してもいいのですが、やはり自分がよく理解している自分自身の本棚から選ぶことにしました。



  




【選書のプロセス・9】

ある程度あたりがあったのでいくつかはすぐにピックアップできました。




【選書のプロセス・10】


まず『ことばのポトラック』(春風社)。震災後、大竹昭子さんが声を掛けて1年間連続的に行われた朗読イベントの書籍化 



  




【選書のプロセス・11】


震災後イベントの開催が相次いで中止になった。そんな状況下で開催され続けたイベント。大竹昭子編『ことばのポトラック』(春風社)で言葉の力を今一度確認したい。



  




【選書のプロセス・12】


2冊目は「ことばのポトラック」のイベントで買った、山内明美『こども東北学』(イースト・プレス)。まだちゃんと読んでないけど必読ではないかと。



  



【選書のプロセス・13】


3冊目は、五十嵐大介『リトル・フォレスト1.2』(講談社)。東北ということもあるけど、自然が美しいというか、そこに生活が根付いてゆくという姿が美しい。



  




【選書のプロセス・14】


4冊目は、金友子編『歩きながら問う』(インパクト出版会)。韓国における在野の研究機関〈スユ+ノモ〉の実践記録。



  




【選書のプロセス・15】

震災とは違うけど、合理化の風が吹き荒れる韓国の学問を巡る状況は日本以上に厳しい。それでも学ぶという意志を貫く彼らの言葉にブレはない。




【選書のプロセス・16】


5冊目は、仙台で思春期を過ごしたエッセイスト犬山紙子さんの『負け美女』(マガジンハウス)。



  




【選書のプロセス・17】


震災のショックが大きすぎて、この企画のセレクトはどうしてもガチになってしまう。だから笑いが欲しいっていうか、仙台を美女的にじゃなくて、「負け美女」的にリデザインするっていうのもアリかと..,



【選書のプロセス・18】


1回目のセレクトであがったのは以上5冊。



  




【選書のプロセス・19】《アイスコーヒーブレーク》

ここで一曲。ミドリカワ書房さんで『リンゴガール』



  









【選書のプロセス・20】


ミドリカワ書房さん、引越おめでとうございます。せっかく可愛らしいガールが隣にいるのに残念ですけど。いや、そうじゃなくて、歌、ありがとうございました☆ さて後半戦スタート!



【選書のプロセス・21】


1回目の選書を終えて思ったのは、震災後の仙台、宮城、東北のデザイン、特に仙台については都市デザインの絵もあった方がいいのではないか。



【選書のプロセス・22】


ジェイン・ジェイコブズ『[新版]アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会)がピンときたけど、僕が推薦するなら、C.ロウ、F.コッター『コラージュ・シティ』(鹿島出版会



  




【選書のプロセス・23】

あと思想というか、デザインの「哲学」があった方がいいのではないかと思った。




【選書のプロセス・24】


僕が推薦する「哲学」は、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)。



  




【選書のプロセス・25】


この本、読みやすく書かれているだけが売りじゃなく、さりげなく近代を超える道を示してる。あっ、そうそう、「超える」という発想がもう近代的で、これじゃ近代超えられないからね!んっ!?



【選書のプロセス・26】

ざっくり行くけど、ハイデッガーの読み解き方がミソで、國分さんはハイデッガーの思考を「第一形式」「第二形式」「第三形式」と分類する。




【選書のプロセス・27】

こう分類すると人はどうしても上へ上へ、「一」→「二」→「三」と志向してしまう。これハイデッガーだけじゃなくてヘーゲルもそうね。上へ上へ。これ近代の呪縛なり。




【選書のプロセス・28】

上へ上へ。この志向なかなか抜けないんですよ。今、優秀だと言われている経営者だってこの呪縛を解けないんですよ。「ムリ・ムダ・ムラ」を省くといったら、どんどんやっちゃうでしょ。




【選書のプロセス・29】

自分の会社だけがやるんだったらいいよ。でも、よのなかみんながやったらどうなる? って、今みんなやってるんだけど、消費低迷するでしょ。当たり前でしょ。ばっかじゃない、ばーか!




【選書のプロセス・30】

それでね、國分さんはどうするかと言えば、「二」に可能性があるって、この本で言ったんですよ。ここの切り込み方、けっこう鋭いですよ。あとは自分で読んでね☆




【選書のプロセス・31】

この國分さんの思考、すなわち「哲学」は、震災後の仙台、宮城、東北を考える上でもキーになる。




【選書のプロセス・32】


以上2回目のセレクトであがったのは7冊。



  




【選書のプロセス・33】《アイスコーヒーブレーク》

ここでもう一曲。奥華子さんで『ガーネット』



  








【選書のプロセス・34】

奥華子さん、ありがとうございました☆ 忘れていた何かが思い起こされます。 




【選書のプロセス・35】

さて、いよいよ選書も佳境に入ります。指定の5冊を超えたので、中味を吟味しましょう。まず、選んだ7冊にキーワードを打っていきましょう。




【選書のプロセス・36】


【言葉】『ことばのポトラック』
【東北】『こども東北学』
【自然】『リトル・フォレスト1.2』
【学ぶ】『歩きながら問う』
【負け美女】『負け美女』
【都市】『コラージュ・シティ』
【哲学】『暇と退屈の倫理学



【選書のプロセス・37】

【言葉】【東北】【自然】【学ぶ】【負け美女】【都市】【哲学】




【選書のプロセス・38】

さて、どれを削ろうか?




【選書のプロセス・39】

まず、【都市】『コラージュ・シティ』を再読。確かによく練られた論考で、都市デザインをする上で、単に新しさを求めるのではなく、人々の記憶が重要であることが述べられている。その手法のキーワードが「コラージュ」。




【選書のプロセス・40】

実際に仙台のデザインを考えると、予算がつくととにかく新しい物を!と躍起になってドドドーっと行ってしまうかもしれない。『コラージュ・シティ』はその戒めにはなる。ただこの本の趣旨は難解で伝わりづらい。




【選書のプロセス・41】

次に【自然】『リトル・フォレスト』。僕自身すごく好きな本なのだけど、この状況下で読むとやや押し付けがましいかもしれない。「自然」って気張るんじゃなくて、もっと「生活」の豊かさをストレートに感じてもらいたい。




【選書のプロセス・41】

【都市】【自然】を落とすと、【言葉】【東北】【学ぶ】【負け美女】【哲学】の5つになる。




【選書のプロセス・42】

ただ、【都市】というか【場所】というキーワードと、【自然】というか【生活】というキーワードは残したい。




【選書のプロセス・43】


【生活】というキーワードで選び直して推薦するのは、飯島奈美+榑谷孝子『ごはんにしよう。〜映画「南極料理人」のレシピ〜』(文化出版局



  




【選書のプロセス・44】

【生活】というか、ズバリ【食】ですね。食卓を囲むというのが、震災後も変わらず、デザインの原点だと思う。



  




【選書のプロセス・45】


次に【場所】というキーワードで選び直したのが、櫻井寛『途中下車の愉しみ』(日経プレミアシリーズ)。



  




【選書のプロセス・46】

櫻井寛さんの文章が個人的に好きで、【場所】というキーワードにややこじつけだけど、【駅】というキーワードでもいいんじゃないかな。




【選書のプロセス・47】

全国の駅についてのエッセイ集なのだけど、土地柄がすごく出てる。ちなみに東北、宮城では仙石線蛇田駅。〜杜の都、仙台から乗ったのは「マンガッタンライナー」だった〜 いい文章だなー。




【選書のプロセス・48】

選書のキーワードは【言葉】【東北】【学ぶ】【負け美女】【哲学】【食】【駅】。また増えた…




【選書のプロセス・49】

【言葉】は、はずせない!【哲学】もはずせない!う〜ん…..




【選書のプロセス・50】

【東北】『こども東北学』、これが読んでびっくりなんですよ。(引用)東北学の範疇には、もうちょっと大事なことがある。




【選書のプロセス・51】

(引用続き)それは、突飛に聞こえるかもしれないけど、とりあえず「まん中じゃないところにも目を向けてみよう」、もっというと「ほんとうに、まん中なんてあるのかな」っていう問い直しの志向さえあるんだ。




【選書のプロセス・52】

【東北】もはずせない! 【言葉】【哲学】【東北】は決まり!




【選書のプロセス・53】

それで【学ぶ】『歩きながら問う』は、書店員時代からずっともっと売りたいと思っている本なのだけど、研究者ならともかく読者の大半が立ち位置が異なるので、共感してもらうのがすごく難しい。




【選書のプロセス・54】

【負け美女】は、なかなかいいセレクトだと自負しているのだけど、著者の犬山紙子さんは、よく仙台に出没するので、本と言わずに、犬山紙子さん本人直々に仙台をデザインしてもらうとよいでしょう☆☆☆




【選書のプロセス・55】


さてさて長らくお待たせ致しました。選書のキーワードは、


【言葉】


【哲学】


【東北】


【食】


【駅】


の5つで決定です!!



【選書のプロセス・56】


「これからの仙台を考える上での5冊」(阪根正行選)発表します。



【選書のプロセス・57】


[1冊目]大竹昭子編『ことばのポトラック』(春風社



  



キーワード:【言葉】



【選書のプロセス・58】


[2冊目]國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社



  



キーワード:【哲学】



【選書のプロセス・59】


[3冊目]山内明美『こども東北学』(イースト・プレス



  



キーワード:【東北】



【選書のプロセス・60】


[4冊目]櫻井寛『途中下車の愉しみ』(日経プレミアシリーズ)



  




キーワード:【駅】


【選書のプロセス・61】


[5冊目]飯島奈美+榑谷孝子『ごはんにしよう。』(文化出版局



  




キーワード:【食】



【選書のプロセス・62】


以上「これからの仙台を考える上での5冊」(阪根正行選)でした!





パチパチパチ☆☆☆



【選書のプロセス・63】

Book! Book! Sendai



みんなみんな



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【選書のプロセス・64完】《エンディング》

それではラストに1曲。もうすぐ夏ですね☆ 



  













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阪根Jr.タイガース




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 阪根タイガース日記